初秋のケアハウス

昨年に続いて暑い夏を過ごした入居者の「暑いですね」の挨拶も九月下旬から消え、「暑さ寒さも彼岸まで」の言い伝え通りになりました。


 最近、すぐ近くの栗林と柿の木の持ち主の許可を得て、栗拾い、柿もぎが行われ、私たち一同、秋の味覚を味わいました。味の方はやはりいまいちでしたが、無料入手の魅力は田園地帯なればこそ、というところです。

 こちらでは間もなく、10月12日から19日まで行われる年中行事の文化祭に備えて、各クラブは出品作の仕上げと、直前の会場作りに多忙となってきました。私は墨友会の一員として今年は二点、初心者として一文字とみことばを出すことになりました。

 コ-ラスの方は、クリスマスを入れて3回、危なっかしいバスの声を先輩に合わせて披露せねばなりません。

 メッセ-ジの御奉仕はケアハウス内ではやらないきまりですが、聖書輪読会の司会、そして外部の教会、無牧の教会の要請には応じて、今までに数回出かけました。

 老人ホ-ムという環境での生活はかなり自由ですが、比較的のんきな私でも、やはり服装や言葉遣いには注意する毎日で、疲れない程度の緊張を伴うつきあいに明け暮れています。

 入居期間は、前の仮住まいを入れると1年余りが経ち、年間行事は一通り経験しました。心和む慰問グル-プの音楽会、記念行事やお祝い事のたびに用意される豪華な昼食は、入居者全員が喜び楽しむひとときです。

 食卓は向かい合わせで4人ほどが向き合って食べるのですが、会話を楽しむ人、ひたすら食べながら聞き役にまわる人、それぞれの個性がよく出るひとときです。その中でやはり男性は、一部の人を除いて比較的無口で、聞かれたことに答えるだけの人が多いようです。

 私は人の名前を覚えるのがあまり得意ではありませんが、それでも気の合う人が増えて、一日一日楽しく過ごしております。(依田名誉牧師)