第一回ひたちなか市民クリスマス開催!

 市内9教会の協力による第一回市民クリスマスが、ひたちなか市文化会館で行われ、約200名が出席しました。気仙沼第一バプテスト聖書教会の嶺岸浩牧師のお話の他、音楽ゲストとして勝田聖書教会のユ-スバンド、合同教会聖歌隊、子ども聖歌隊、茨城キリスト教学園コ-ラス部(ハンドベル演奏)のみなさんが参加しました。


キリストにある神の愛

 私たちの教会は、2008年3月20日に献堂式を行いました。しかし3月11日の地震と大津波で、会堂と牧師館は壊滅状態になってしまいました。ボランティアの方々が瓦礫を撤去して下さった時、フロアと講壇だけが残されていました。そしてボランティアの皆さんが瓦礫を使って十字架を作って下さった後、誰かが会堂に立てられていた白い十字架を届けて下さいました。今までに、多くの牧師、宣教師、兄弟姉妹がここで祈って下さいました。現在、気仙沼には約3400戸の仮設住宅がありますが、私たちは皆さんに支援物資やトラクトを届けたり、声をかけたりしています。今後2年間は、この福音の種まきを続けていくつもりです。

 では3月11日のことからお話ししましょう。その日、私は会堂の祈祷室で仕事をしていました。2時46分に大きな地震がありました。私が火力発電所に勤めていた頃は潮位計はあるものの、監視カメラはほとんどなく、地震が起きると海を見に行ったものでした。教会から海まで200メ-トルくらいです。私は堤防まで行って、太平洋を見ました。下の海面を見たら、少し引いているようだったので、すぐに家に戻って家内と娘と猫を連れ、急いで逃げました。3時10分頃、国道45号線に出ましたが、道路は空いていて、高台へ逃げることができました。一方、気仙沼の湾内では大火事で一晩中、黒い煙が上がり続けました。二日目にようやく教会まで来て、会堂がなくなっているのに気がつき、一種の喪失感に陥りました。でもその時、二つの御言葉(ヨブ1:21,Ⅰテモテ6:7)が私の内側に与えられ、自分は何も持たずにこの世界にやってきたのだという事を、はっきりと自覚しました。但し私には流されてほしくないものがありました。それは、40年かけて集めた約5千冊の本でした。イエス様はそれに対し、神学書や注解書に頼るのではなく、私にだけ頼りなさい(第一の物を第一にしなさい)と言われました。私はすべての物を失うことを通して、物は再び買うことができる、でも命はそうはいかないということを痛感しました。

 実は3.11の二週間前、私はある文章を読みました。それはチャ-ルズ・コルソンという人が書いた、「神を愛する」という文章でした。ある91歳のおばあちゃんに対し、神様は「あなたは囚人に手紙を書きなさい」と言われました。そこで彼女は近くの刑務所に手紙を書き始めました。彼女は服役囚とのやりとりを通して、生きる喜びと生き甲斐を見出し、91歳の今がいちばん充実していると語っています。人間は誰かに覚えられていることほど、励まされるものはありません。ましてや、天地をつくられた神様は、私たち一人一人に対して、本気になって思って下さるのです。イエス・キリストはあなたに命を与え、命を育んで下さり、生涯あなたを愛してやまない方です。私は25歳までイエス様を知りませんでした。でも教会に行って、メッセ-ジを聞き、天地をつくられた真の神様が存在し、私たちを本気で愛して下さっていること、私たちに罪のゆるしを与える十字架があることがわかったのです。罪責感なしに人生を生きることができる、これがクリスチャンの生き方です。イエス・キリストは、私たちの罪をゆるすために十字架で死んで下さいました。そして3日目によみがえり、今も働いておられます。私は津波ですべてを失いましたが、私の持っている信仰と希望と愛は、流されませんでした。むしろいよいよイエス様を愛するようになりました。「大水もその愛を流すことができません。洪水も押し流すことができません」(雅歌8:7)。

 再び
チャ-ルズ・コルソンの文章にもどりますが、彼はある時、養老院に住むそのおばあちゃんを訪ねていき、居住者に二つのコントラストがあるのに気がつきました。一つは、生活のすべてに不満があって、ただ座っているだけという人々、もう一つは神様の使命に、喜んで従っている人々です。あなたはどちらの生き方を選びますか。

 天の神様、大津波もキリストにある神の愛を押し流すことはできません。あなたの愛を、私に本当に示して下さったことに、心からありがとうございます。第1回ひたちなか市民クリスマスに来られた一人一人に、どうかあなたご自身が今日も、これからも、恵みをもって導きの御手をお与え下さい。そして一人でもイエス様を信じて歩んでいきたいという方が与えられることを信じて、ありがとうございます。いっさいをゆだね、感謝をもって主イエス様の聖い御名前を通してお祈りをいたします。