貴重な体験

私は今年のゴ-ルデンウィ-クの直前、4月28日から5日間、北海道札幌の親しい知人の招待でその知人宅に泊まり、数カ所の観光をさせていただきました。また、札幌の教会での礼拝説教のご奉仕も用意されていました。

 実は、札幌到着の第一夜、友人宅の風呂場で尻餅をつき、腰椎を骨折してしまったのです。幸い耐えられないほどの痛みはなく、友人夫妻の行き届いた介助を受けながら、楽しい数日を過ごすことができました。病院に行って、痛み止めの飲み薬と貼り薬、そしてコルセットも与えられました。生来、体の痛みに対する抵抗力の強い私でしたが、今回は大助かりでした。

災難に遭って間もなく、私の頭に浮かんできた新約聖書の言葉があります。それは、キリストの使徒パウロの手紙文の一節にある、「立っていると思う者は、倒れないように気をつけなさい」(Ⅰコリ10:12)です。

 クリスチャンは、聖書のことばを神からの語りかけとして受けとめる場合が多くあります。私にとってこのみことばは、深い反省を促すものとなりました。
はここキリスト教系の老人ホ-ムに入居して間もなく2年となりますが、整った生活条件の中で快適に過ごしていて、一人生活15年ぶりの遠出の旅を前にして、心落ち着かぬ浮ついた毎日の自分であったと気がつきました。特に、目には見えぬ神様への感謝と、危険の伴う一人旅行の御守りを願う祈りのことばを忘れていたのです。神様の恵みに慣れることを警告するお話は何度も聞いたことがありますが、今回は私がそれであり、前記のみことばは、私にとって貴重ないましめの経験となりました。

 ちなみに、このみことばの次に多くのクリスチャンに愛されているみことばがあります。それは、「神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることができないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます。」(Ⅰコリ10:13)です。

 何故か、今回は警告のみことばを災難後、反省を促す声として強く示されたのですが、それに続くこのみことばもまた、私の体験として「その通りです」と神様にお答えできることを感謝しています。