いっしょに歌おう 第54回

「げんこつやまのたぬきさん」、「星の界」、「叱られて」、「いつくしみ深き(福音讃美歌432)」、「ふるさと」を歌いました。参加者は10名でした。

エレミヤ29章11節
 これは、神様からイスラエル人に向けられた言葉です。イスラエルの人々は自分の悪い心、行いのために敵国との戦いに負け、外国に連れて行かれることになりました。住み慣れた故郷を離れ外国に住む、それはとても不安だったでしょう。しかし聖書の神様は、絶望に満ちた時こそ希望に満ちたメッセージを下さる方です。人々は神様が用意して下さっている計画を信じて、外国での慣れない生活を耐え抜くことができました。

 さて、星野富弘さんをご存知でしょうか。彼は群馬大学を卒業後、体育の先生になりました。しかし、生徒に鉄棒の演技を見せている時に、鉄棒から落ちて首の骨を折り、肩から下が全く動かない体になってしまいました。体育の教師になって生徒たちと体を動かすことが自分の生きる道だと思っていたのに・・・彼は病院で何度も死のうと思ったそうです。しかし体を動かせないので死ぬこともできず、絶望の日々を送っていました。そんな彼を支えたのはお母さんでした。彼女は、手足の感覚のない星野さんのために、毎日三回スプーンで食事を与え、床ずれにならないよう体の向きを何度も変えたりしました。そしてもう一つ彼を支えたのが聖書でした。「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます。(マタイ11:28)」、この言葉が星野さんの心をしっかりと掴みました。そして彼が聖書を学んでいくうちにわかったことは、自分には悪い心(罪)があるということでした。介護してくれる母親を罵倒したり、見舞いに来る健康な体の人を蔑むような心に気がついたのです。でもこの悪い心をゆるすために、神様が人となり、十字架にかかって下さった、このことを信じた時に、星野さんの心は喜びに満たされました。そして同時に、この苦しみには神様の計画があるということもわかりました。口に絵筆をくわえて詩や絵を描くことは、神様に出会う前からできましたが、神様を信じてからは、それを積極的にやるようになりました。そして美術館が建つほど、人々を慰め励ますような人になっていきました。

 今日、みなさんにお渡しした冊子の最後に、「立っていても、倒れて入れも、ここはあなたの手のひら」という星野さんの言葉が書いてあります。「あなた」とは神様のことです。彼にとって、首の骨を折って寝たきりになったのは、「倒れた」ことです。でも神様に出会った後に、今苦しんでいるこの状況も「あなたの手のひら」、神様の計画だと信じるようになりました。私たち一人一人にも、神様の計画があります。それは私たちの想像をはるかに超えた、私たちにぴったりの計画です。

 天の父なる神様、今日は童謡、唱歌、讃美歌をみんなで楽しく歌う時間を持つことができ、ありがとうございます。ここにいる一人一人に、あなたの計画があります。どうぞ私たちがあなたによって導かれていきますように。(武田遣嗣牧師)