干し芋牧師パリを歩く(パリのパン)

1.パリといえば
パリといえばフランス料理の本場です。フランス料理といっても、日本の約1.5倍の国土に、北は北海から南は地中海までの様々な地方独特の料理があり、その総称がフランス料理と呼ばれています。
 もう一つ、パリで忘れてはならないのは、フランスパンです。これまた多種多様で、一概に言えません。そこで今回はパリのパンの一部を紹介し、少しでもパリ気分を味わって頂ければと願っています。

2.パリのパン屋さん

いったい、パリにパン屋さんが何軒あるのか、案内書や、当地での「パン作り」書を見ても正確には分かりませんでした。日本でのうどん屋、ソバや、ラーメン屋がそれ以上でしょうか。パン屋さんが隣り合わせであったりすることも珍しくはありません。パリ日本語教会が礼拝をしている「マレ教会」がある通りの、「サンポール」駅と「バスチーユ」駅間の500mのところに5軒あります。
パン屋さんの一日は未明に始まり、朝6~7時には開店するところが多いです。パリジャン、パリジェンヌそしてマダム達が朝食のためにパンを買いに来るからです。焼きたてのバゲットを買い、一口頬張って歩く姿に見とれてしまいます。(→散歩で顔なじみになったパン屋の職人さん。まだ暗いうちから働いている。)

3.パンの種類
さて、パン屋さんの数がわからないように、「フランスパン」といってもその種類が何種類なのか、小生にはわかりません。が、ある本では次のように大別できるそうです。
①バゲット系(バゲット、バゲット・トラディション、フィセル、バタール、パン・ド・カンパーニュ等、食事系)
②ブエノワズリー系(クロワッサン、パン・オ・ショコラ、パン・オ・レザン等、甘いパン)
③ビオ系(オーガニック小麦と天然酵母を使ったパン。雑穀やライ麦も)
この中で、種々の変化が加えられ、パン屋さんのショーウインドーを覗くだけでも楽しく、街を歩く時必ず立ち止まり、パンとケーキとその値段を見るのです。この中で、バゲットはフランスに住む人が、等しく食せるようにと、日本の米に補助がされているように、政府が補助を出しています。そのため、各店、高級店でも、バゲットだけは一本(約300グラム)1ユーロ前後(140円前後)で買えるので助かります。

4.バゲットコンクール

 毎年3月に、パリで「バゲットコンクール」が行われるそうです。競うのは、法律で製法が定められている「バゲット・トラディション」の出来栄えで、外見、香り、味等、各要素を審査し、総合点で受賞者を決定するそうです。例年約200人の応募者の中から、優勝者が選ばれます。優勝者には、1年間、大統領の住むエリゼ宮にバゲットを納品する栄誉が与えられるそうです。このコンクールで受賞したパン屋さんのショーウインドーには賞状が飾られます。月桂冠付きの賞状のようなものがプリントされています。そんな店は、食事前の時間になればバゲットを買う人が長蛇の列を作っています。
(←店の外からすぐわかるように、優勝のしるしが飾られている。)


5.私たちのパン生活
私たちはもともとパン好きです。結婚以来40年以上、朝食はパンとミルク紅茶と種々のジャム、そしてマーガリン(バターは手が出ません)です。ですからパリでこれまで留守番牧師を5回しましたが、自分たちのためにご飯を炊き、味噌汁を作った事はないのです。教会の青年たちのため、愛餐会、カレー夕食会等がありますが、その時は日本食に飢えている方のためにご飯を炊くことになります。今回の約3カ月の滞在でも一度も二人でご飯を食べることなく、三食ともいろいろな種類のパンを楽しんでいます。
因みに、澄代の好きなパンは、クロワッサン、バゲット、ショソン・オ・ポムで、小生は、バゲット、パン・オ・ショコラ・エ・ザマンド、クロワッサン・ザマンドでしょう。
現在日本でも、多くのパリのパン屋さんが進出し、また、パリで修業したパン職人も多いので、いつでもパリのパンを食べられます。どうぞ、朝からバゲットを食べ、パリを楽しんでください。