遣僕使ブリュッセル便り(2)

 

 ブリュッセル日本語教会に遣わされて来たが、ベルギーそしてブリュッセルについてほとんど何も知らなかった。そのことを教会の方に話すと、早速ブリュッセル日本人学校中学生用副読本『私たちのベルギー』を渡された。読んでみると、それは現在の日本への示唆に富んでいた。その中から特に二点を紹介したい。

 

 

現在のベルギーは、1831721日ネーデルランド王国から独立した立憲君主制国である。その憲法33条に「すべて、権力は国民に由来する」とある。同99条には「国王は、両議院合同会の前で、厳粛に次の宣言をするまでは、王位に就くことができない。『私は、ベルギー国民の憲法および法律を遵守し、国の独立および領土の保全を維持することを誓う』とある。

 

 

我が国がもし改憲するなら、ベルギー憲法のように、国民主権と、皇位や首相は憲法など順守誓約をもって、その立場に就くことを明文化したい。またベルギーは大国(英、仏、独)に囲まれていることを生かし、欧州全体の平和友好の先駆者となった。そのためブリュッセルにはEU議会をはじめ多数の国際機関があり、欧州の首都といえる。我が国も、中、露、米に囲まれているが、集団的自衛権などに頼まず、「太平洋連合」等創設による地域の平和体制に尽力し、その首都となるようなヴィジョンを持ちたいものである。