家族のきずな

 

 私の入所している老人ホーム、ケアハウス主の園では祝日以外、毎週日曜午後と平日午前に、近隣の牧師さんが40分前後の礼拝を行って下さいます。お話は主に聖書からの説教ですが、講師の先生(牧師さん)の体験談が入ることもあります。

 

 

 

 先週は、家族がキリストを信じた内容の新約聖書の説教と、ある講師の先生の教会で起こった高齢の男性の入信の体験談が続き、感銘深かったので、私の感じたことも交えて書かせていただきます。

 

 

 

 まず聖書の出来事は、使徒の働き16章の使徒パウロの伝道旅行の時、ピリピの町でおこりました。その時、パウロと同伴のシラスは不当な扱いを受けて牢屋に入っていましたが、二人で祈りと讃美の時を守っていた最中に大地震がおこり、獄舎の土台が揺れ動き、扉が全部開き、囚人の鎖が解けてしまいました。驚いた看守が責任をとって自殺しようとした時、パウロにとめられ、彼はみわざの恐ろしさにひれ伏し、救いを求めました。そこでパウロの有名なことば「主イエスを信じなさい。そうすればあなたもあなたの家族も救われます」が語られ、結果、看守と家の者全員がイエス・キリストを信じて洗礼を受けたのです。これは実話の記録です。

 

 

 

 それから数日後、ある先生から、重い病気で臥せっていた高齢のご主人と、クリスチャンのご夫人、娘さんの体験談を伺いました。先生は、高齢者が信仰を持たない例は多い、だから近くにいるクリスチャンは積極的に声をかける必要があると仰いました。開かれた聖書箇所は、「なぜなら、信者でない夫は妻によって聖められており、信者でない妻も信者の夫によって聖められているからです。そうでなかったら、あなたがたのこどもは汚れているわけです。ところが、現に聖いのです」(Ⅰコリント714節)でした。

 

 

 

 先生の指導を受けたご夫人がある時、しみじみと病床にあるご主人に声をかけました。勇気のいる言葉でした。

 

 「私と娘はやがて天国に行けるけれど、お父さんは天国に行けないんですよ。寂しいです。」

 

その後間もなくご主人が告白されました。

 

「俺もキリストを信じることにした。」

 

先生はその後、ご主人が召されるまで信仰個条の要点を一つ一つ確かめました。そして間もなくご主人は病床洗礼を受けて、召天なさったそうです。母と子の祈りは、こんな形で応えられたのでした。

 

 

 

☆この課題は祈りの不足か、なかなか進行しない難しさがありますね。積極的になるのを妨げる霊的な陰の力があると感じますが、もっと時間をかけて祈らなければと、礼拝の時に示され続けています。(8月22日夜 依田次雄名誉牧師)