色彩豊かな軒並み(旭川・緑ヶ丘便り16)

 

 現在、小生たちが住んでいるのは旭川市中心街から南東部にある「緑が丘南」である。地名からもわかるように丘陵地であり、緑豊かな住宅地である。道路には大きなプラタナスの街路樹があり、市内でも一、二の広さである「神楽岡公園」がすぐ近くにある。また、「緑が丘福音キリスト教会」から東に約500mのところに「旭川医科大学」がある。

 

 そのために住宅地「緑が丘」には医大関係者のための住宅がたくさんある。教職員用の公務員住宅や一般の一戸建ての賃貸住宅やアパートがある。また、学生用のアパートもたくさんある。さらに驚いたのは長期入院している患者さんの家族用のアパートがあることである。「旭川医大」は旭川から、道東、道北、道南地域全般の拠点病院としての役割を担っているのだ。だから「旭川医大」の患者さんは旭川市周辺だけでなく、200キロも300キロも離れた北海道の北の端 稚内や、東の端 根室等の人が入院しているのである。その患者さんの看護や、世話をする家族が泊まるアパートが必要なのである。そのため便利な家具付きマンション等がある。

 

 「旭川医大」関係者の住宅や家具付きマンション等は主に「旭川医大」のすぐ西側にあり、その辺りは軒並も色彩豊かである。東京の住宅地では見られないような色彩の軒並である。

 

 さらに小生たちが住んでいる「緑が丘南」は「医大関係者」用ではなく一般市民の住宅地である。そのため軒並の色彩は鮮やかであり、美しく感動する。このあたりの住宅は一軒の敷地も100坪くらいはあるのだろうか。東京あたりでこれだけの敷地があれば高級住宅や豪邸と言われるだろう。当地の建物も大きく、建坪が4050坪の二階建ては特別大きい方ではない。とにかく敷地も広く建物も大きく、東京等では高級住宅街といわれるに違いないのである。

 

 しかも広く大きいだけではない。建物の色が鮮やかであり、豊かである。小生たちのアパートから教会に行く道は一本道である。教会に向かって右側に約10軒家がある。その10軒は全て色が違うのであるから驚きである。どうしてそうなったのか。この10軒の建て主が夫々の希望の色を出し、調整して違う色にしたのだろうか。また建築会社が色を決め、買主はその色を見て購入したのか。とにかく、10軒の中に同じ色が一つもないのが不思議である。

 

 東京の「建売」の場合、建築会社があらかじめ色を決めて売るのだろうか。買主の希望によるのだろうか。また10軒全てが異なる色になることはないのではないか。流行りの色とか、無難な色になり、同じような色が並ぶように思う。

 

 先述の10軒は、色鮮やかな朱色があったり、濃い緑、薄い黄緑、黄土色、濃いえんじがあったりである。このような色彩豊かな軒並を東京や茨城で見たことはない。かつて住んでいた札幌の新琴似にもなかった。各家の色が異なるのは美観を損ねると言われるが、この緑が丘の軒並は美しい。

 

 パリ、ウィーンの場合、建物の色は周囲の色に調和するよう制限されているのだろうか。異常な色彩の建物はなく、大体周囲と同じ色である。これはそれなりに美しい。しかし、この緑が丘の住宅地は、本州にはない色彩で美しい。いや、もしかしたら海外でもあまりないかもしれない。中国、ベトナム、タイ、インド等の町にはあるのだろうか。

 

いろいろな色の家が一つの街並みをつくっているのを見る時、キリストのからだである教会を思い出す。

 

「ですから、ちょうど、からだが一つでも、それに多くの部分があり、からだの部分がたとい多くあっても、その全部が一つのからだであるように、キリストもそれと同様です。」Ⅰコリント12:12