いっしょに歌おう 第70回

「うみ」、「アニーローリー」、「案山子」、「くつが鳴る」、「手を叩きましょう」、「神の御子にますイエス(福音讃美歌455番)」を歌いました。参加者は11名でした。

 

 

空   

毎日空を見ていた

空が変わった

涙を流し友が祈ってくれた

あの頃

恐る恐る開いた

マタイの福音書

あの時から

空が変わった

空が私を

見つめるようになった

            (星野富弘)

  

 星野富弘さんは運動中に首を強打したことにより、首から下が全く動かない体になってしまいました。この詩の冒頭の「毎日見ていた空」は、病院から眺める、いつもと変わらない景色ではないかと思います。しかし、その悲しい景色は友の祈りとマタイの福音書(マタイ1128)によって変わりました。

 

 すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます(マタイ1128)。

 

 以前、星野富弘さんがNHKの「こころの時代」という番組に出演したことがありますが、番組の中で、この「疲れた人、重荷を負っている人」は自分のことだと思ったそうです。そして、「わたし(神様)のところに来なさい」という言葉に応答するように、聖書の神様を信じるようになりました。星野さんが出会った神様は、この世界のすべてをつくられた神様です。星野さんはこの神様を信じた時に、空だけではなく景色すべてが変わってしまったそうです。

 

「すべてのものを神様がつくってくれたと思っていたら、色も形も調和を持っているんじゃないかなあと思ったんですね。そういうふうに考えて花を見たら、本当にそうなんですね。丁度花の形といい、丁度いい形の茎に合った大きさで、そういうものを素直に写していけばいい絵が描けるんじゃないかなあ。じゃあ、今度は花を先生だと思って絵を描いてみよう、と思って絵を描き始めました」(星野富弘氏)。

 

 花は神様がつくられたものだから、その色、形、花の大きさ、茎の太さは全部調和を持っているはず。だから、それを素直に書き写してみよう、そう信じて描く星野さんの絵が人々の心を打つようになり、美術館も建てられました。絶望の中にいた星野さんを救った聖書の言葉、「わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます」は、星野さんだけでなく、私たち一人一人に語られている言葉です。聖書の神様と一緒に歩めば、この世界の見方が全く変わる、そんな体験ができますように、この神様と出会うことができますようにお祈りします。

 

 花も、草も、そしてすべてをつくられた大きな神様、ここにいる一人一人と共に、今週も一緒にいて下さい。そして疲れた私たちの心を、本当のやすらぎに連れていって下さい。(武田遣嗣牧師)