ウグイスはどこに(旭川緑ヶ丘便り25)

 

 5月末から6月初旬になって、さすがの旭川も春爛漫である。ツツジが色鮮やかに咲き誇っている。何度も言うが、本州よりも色の濃さと言うか鮮明さがある。ツツジの種類も多いように思う。「エゾ‥‥ツツジ」と「エゾ」がつくものがたくさんある。家庭の庭に何種類ものツツジが咲き競っているのである。小生のような鈍い者も「おう!」と思わず感嘆の叫びが自然に出てくる。家庭の庭だけでなく歩道に植わった様々な草花の色の豊さにも感動である。ひたちなか市の「しあわせプラザ」の十字路になっているところはサツキが美しい。しかも7月まで続く。しかしその辺りばかりでなく、那珂湊はじめひたちなか市は全体的に街路樹が美しい。「ひたち海浜公園」がある影響かもしれない。それにしても、旭川の街は街路樹や歩道の花々、庭の花木、草花が美しい。態々「ツツジ公園」等がなくて良いのだ。

 

 ところが、この美しい緑が丘にも拘らず、未だに「ウグイス」の鳴き声を聞かないのがさびしい。梅も桜も終わっているのでウグイスの季節は来ていると思うのだが。那珂湊ではウグイスが身近で鳴き、楽しませてくれた。しかも、どちらの教会で鳴くウグイスも、実に美声であり、声量もあった。礼拝での賛美を聞いてウグイスも負けじと全力で歌っているようであった。

 

 歩いている時など、ウグイスの鳴き声に合わせて、こちらが「ホーホケキョ」と口笛を吹くと「ホーホケキョ」とそれに応えるのである。那珂湊ではウグイスが身近かな鳥である。ちなみにひたちなか市の「市の鳥」でもある。

 

 一方、6月になってもウグイスの鳴き声を聞くことがないということは、旭川は野鳥の宝庫だと聞いたが、ウグイスは旭川には来ないのだろうか。ちょっとさびしい。カラスは鳴いている。キツツキの種類が、アパートに隣接する神社の木の上でコツコツとやっている。スズメもたくさんいる。でもウグイスの鳴き声を聞きたいではないか。日本の各地どこでもウグイスの鳴き声を聞くことが出来ると思っていた。が旭川等、道内でも寒冷地では出来ないとなれば、同じ日本でも気候条件は異なることを今更ながら知らせれるのである。

 

 旭川市の中でも大きな公園の一つである神楽岡公園でもウグイスの鳴き声を聞くことはない。結局7月下旬の今日まで、緑ヶ丘周辺でウグイスの鳴き声を聞かなかった。

 

 ところが、先日占冠(シムカップ)に友人を訪ねた。旭川から南西に約120kmの村である。旭川から美瑛、富良野と南下し、その先にあり、日高の手前10数㎞の所である。友人の住所は「占冠村双珠別」である。小字名もなければ番地もない。大きな道路地図を見ても広い地域に亘って「双珠別」である。詳しくは解らないが、東京の区部全体くらいの広さかもしれない。そんな広い地域で「名前」だけでたどり着くか少々不安だった。ところが村の中心地にある「道の駅」で「双珠別の○○さんを知っているか」と尋ねると「知っています」と道を丁寧に教えてくれた。そこから約10㎞の所であった。そして○○さん宅から日高境界までが10㎞ほど、つまり、双珠別」は直径約20㎞の円周内なのである。その宏羽の中に住む人をほとんどの住民が互いに知っているのだ。何と言う隣人同士の交わりだろう。

 

 さて、ウグイス、である。○○さん宅で話している時、ウグイスの鳴き声が聞こえたのである。北海道でも確かにウグイスは鳴くのである。

 

 望むらくは、旭川市内、その近郊でもその声を聞きたいものである。、