いっしょに歌おう 第75回

「とんぼのめがね」、「北風小僧」、「こぎつね」、「もみじ」、「うたいつつあゆまん(福音讃美歌402番)、「故郷」を歌いました。出席者は9名でした。

 

今月も、レンブラントの「放蕩息子の帰還」という絵を見ながらお話したいと思います。

 

http://www.salvastyle.com/menu_baroque/rembrandt_son.html

 

この息子は三つの点で破天荒でした。第一は、まだ死んでもいない父親に頼んで、遺産を前払いしてもらったことです。第二は、遺産を受け取ると、すぐ家出をしたことです。第三は、遠くの町で豪遊し、最後には一文無しになってしまったことです。普通なら絶縁してもいいようなこの息子の帰りを、父親はずっと待っていました。絵の左にいる、ボロボロの服を着て、坊主頭になった息子を、父親は優しく受け入れています。実は、この父親が神様で、放蕩息子が私たちを表しています。私たちはこの物語から、どんな者でも愛される神様がおられることを学ぶことができます。

 

 さて絵の右側に、憎むような鋭い目つきで父と放蕩息子を見ている人物がいます。彼は放蕩息子の兄で、弟が家を出た後も真面目に働きました。しかし二つの問題点がありました。第一は、自分と弟を比較したということです。弟が帰った時、父親は弟を抱きしめ、祝会を開きました。そこで兄は、父が自分より弟を愛しているのではないか、と思い始めたのです。そう考え始めると、父が自分を愛しているかどうか、わからなくなってしまいました。第二は、人を見下していたことです。兄は見下すことで、自分の価値を見出そうとしました。

 

 しかし、この世界を創造された神様は、「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している」と仰いました。私たちは他と比較したり、人を見下したりして自分の価値を決めるのではなく、神様の「あなたを愛している」という声に耳を傾けたいと思います。

 

 神様、今日、歌う会をすることができてありがとうございます。あなたが私たちを愛して下さっていること信じることができるように、私たちには価値があることを、あなたが教えて下さい。(20171121日 武田遣嗣牧師)