フーテン僕使ウィーン便り②

 

②支離滅裂な説教

 

            

 

 520日はペンテコステ(聖霊降臨日)の礼拝である。この日は今回のウィーン教会での最初の奉仕であった。何年振りかでウィーン日本語教会の兄姉と共に主を礼拝できることに喜びと同時に緊張していた。マルティン通りとシューマン通りの交差するところにあるルーテル教会にミューラー綾子さんの車で到着した。ルーテル教会は綺麗に修繕されていた。このルーテル教会の交わり室が日本語教会の礼拝場所である。ここは以前と少しも変わっていなかった。部屋の外には子どもの遊具が置いてあり、「せんだんの樹」のような大木が数本ある。

 

 さて説教のためにパワーポイントの準備をして行ったが、そのためのプロジェクターが見当たらないという。一昨日到着後に確認すると多分あるだろうとのことだったので安心していた。が実際は使えないことになった。

 

 普段、小生はパワーポイントを使って説教しているので焦ってしまった。と言うのもペンテコステであり、最初の説教でもあり、いつもより肩に力が入った準備をしていた。そのためこれが使えなければ詳細が伝わりにくいと思われる内容だった。

 

 そこで準備した説教をそのまま語るのを諦め、原稿を無視して短縮して語ろうとした。その前にそのことをまず説明し、同時に小生がウィーン教会で奉仕するようになった経緯と小生の病気と体調のことも説明した。そんな、説教とは直接関係のないことで時間をとってしまい、短くまとめねばと焦った。焦れば焦る程、まとまるよりも支離滅裂になった。ペンテコステの大切な説教がこんな有様で主にも会衆にも申し訳なく、悔い改めるばかりである。日本からの旅行中の姉妹や友人に誘われて初めて来たカナダの姉妹、2年振りに来た姉妹、しばらく振りの兄弟などを主が送って下さったのに本当に申し訳なく、憐れみを乞うばかりである。その夜も、申し訳なさでよく眠れなかった。こんな状態では主の教会で奉仕することはできない。

 

これからの奉仕を主が許して下さるなら、主が御霊によって小生を聖め用いて下さるように祈るばかりだった。