フーテン牧師ウィーン便り㉑

 

小さな公園

 

 

 

 牧師館は4階にある。すぐ下の道の向いは街の小さな公園がある。牧師館の窓からは公園全体が良く見える。小さいと言っても30m×30m位の広さだろうか。とにかく正確には解らない。

 

 この公園の道沿いはカフェ2軒、トルコ料理店、小間物屋、花屋等がある。その店舗の裏にはゴミの分別収集の大きな箱がいくつも置いてある。

 

 公園の内部には卓球台、花壇、公衆トイレ、数本の大きな木が陰をつくる子どもの遊び場(滑り台等の遊具)砂場、そしていくつかのベンチがある。夜も街灯が3基灯っていてまっ暗になることはない。この公園を窓から見ていて感心することがある。一つは卓球台である。日本ではあまり戸外の卓球台が置かれているのを見ることはない。ところがここでは卓球台があるだけでなく、実際に老若男女が盛んに卓球をしている。しかもかなり上手そうに見える。いわゆる「温泉卓球」程度ではない激しい打ち合いをしているのである。

 

 二つ目は幼児が母親か祖父母かに見守られながら、砂場等で遊んでいるのである。日本では砂場も公園から見られなくなって久しい。ここウィーンの街の公園には殆ど砂場があり、子供たちが遊んでいる。大体、日本で、特に都会では公園で子どもが遊ぶこと自体あまり見られなくなっている。

 

 三つ目は、ベンチで老人たちがゆっくり語り合っている姿がほほえましい。またこれは小生の勝手な想像だが、ホームレスの人たちの憩いの場ともなり、ベンチで夕食を分け合っているようにも見える。

 

 ホームレス、幼児たち、老人たち、元気な若者たちが、小さな公園で共生しているのがこの街の公園のようである。

 

・公園の卓球台。ネットも金属製なので、球が当たると大ホームランになり笑えます。人がいないと鳩が遊んでいます。