フーテン僕使類天疱瘡日記②

 

②「日赤」の名称と十字架

 

 今回入院しているのは水戸赤十字病院である。那珂湊からは14㎞で車で約30分である。前回入院していた筑波大病院は那珂湊から約75㎞だったので通院が大変だった。それで転院先として紹介された病院である。

 

 日赤に入院して一番感じたのはドクターも看護師さんも患者と接する時、ゆったりと笑顔であることだ。また、患者の一日の生活もゆっくりとしており患者の個性を大切にしているように思う。例えば朝の起床である。筑波では、朝6時に起床を知らせる音楽が流れ、「おはようございます。起床時間です。検温をして待っていて下さい」とアナウンスする。しばらくすると看護師が各部屋を検温の結果を聞きに廻る。日赤では起床時間は同じ6時だが、起床の音楽もアナウンスもない。7時頃検温に来るだけである。筑波大ではまるで起床ラッパのように感じたのである。

 

 そして食事時間の長さである。筑波では食事時間は15分か20分である。配膳されてからその時間で下げに来る。小生は、食事は人間にとって何よりの楽しみであり、患者にとっては薬よりも癒す根源であると信じている。だから、患者の食事をこそ治療の根源に据えるべきである。そのために食事時間を入院生活の中心の時間とすべく、最低1時間は取るべきだと訴え続けた。しかし、小生が入院中にはそれ実現しなかった。

 

 ここ日赤では食事時間も患者の普段の食生活に合わせた時間を容認し、1520分などで一律に片付けようとはしない。小生は普段から毎食1時間から1時間半かける。それを受け入れてくれる。看護師は1時間くらいで顔を出し、まだ食べていると申し訳なさそうに「ごめんなさい。ゆっくり食べて下さい」と言う。

 

以上のように、ここ日赤では、患者を人間として扱っているようで、患者にとっては何よりうれしいのである。どうして日赤ではこのように一人一人を大切にするのだろうか。ふと思い当ることがある。日赤は「日本赤十字社」の運営する病院だろう。「日本赤十字社」は「国際赤十字社」に属すると思う。だから各地の「日赤病院」も単独の理念に基づくのではなく国際赤十字社の理念に基づいて運営されているに違いない。

 

 国際赤十字社の理念とは何か。それは「人道と博愛である」と病院前の石碑に刻まれている。そしてその理念となっているのは創立者として有名なナイチンゲールの経験から生まれたものである。クリミヤ戦争での人間無視の残虐と悲惨を体験し、人種や国籍によって差別せず、すべての人を等しく助けることを訴え、そのように扱うようにしたのだ。人間を人間として、全ての人に等しく手を差し伸べる精神である。このナイチンゲールの人道と博愛の精神を現わしたのが「赤十字」である。

 

 そして「赤十字」はやはりイエス様の十字架を現わすのではないかと思わされた。イエス様の十字架の血と愛を象徴するのが「赤十字」に違いないと、一人深く思っている。

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フーテン日記をお読みの皆さん。

 

ただ今入院して「類天疱瘡」の治療を受け、感謝なことに退院して自宅療養との結果が出ました。 けれど、今週体調が悪く、検査したところ、思いがけないことでしたが、心臓の冠動脈が細くなっていることがわかり、15日(月)にカテーテル手術を受けることになりました。お祈りください。

 

また、大変勝手ながら、ほとんど休んでおりますので、おいでになることはお控いただきたくお願いいたします。

 

皆さまの上に、主の守りと祝福を祈りつつ

 

細川勝利