いっしょに歌おう 第87回 

12月18日、那珂湊駅構内で歌う会が開かれました。

 「ジングルベル」、「もみの木」、「ひいらぎかざろう」、「あわてんぼうのサンタクロース」、「きよしこの夜」を歌いました。参加者は11名でした。

 

 クリスマスになると、各国の教会でイエス・キリストが生まれた「降誕劇」を上演するのですが、今日はこの劇にまつわる一つの物語をお話しします。

 

 アメリカのある小さな教会で、クリスマスに子どもたちの劇を上演することになりました。教会の大人たちは、君はヨセフさん役、君は羊飼いにと、子どもたちに配役をふっていきました。ただ、子どもたちの中にただ一人、知的発達が遅れた子どもがいました。大人たちは色々考えた末、この子に宿屋の主人の役を割り当てました。彼に与えられたセリフは「だめだ。部屋がない」、これだけでした。しかし彼は自分に役があることに喜び、幾日も練習しました。

 

 劇の本番の日、町中の人がこの劇を見に来ました。ヨセフとマリアの演技はとてもよくて、観衆は劇に引き込まれていきました。そしてヨセフとマリアが宿屋を探すシーンになった時、その子は大きな声でセリフを言いました。大人たちは、彼がセリフをちゃんと言えたのでほっとしました。しかしその後です。家畜小屋に向かって行くヨセフとマリアに向かって、その子は泣き出してしまい、「マリアさん、ヨセフさん、家畜小屋に行かないで。家畜小屋は寒いし、臭いんだよ。イエス様がかわいそうだ」と言ったのです。劇は中断してしまいました。しかしこの村の長い歴史の中で、これほど感動的なクリスマスはなかったそうです。純粋無垢なこの子は、家畜小屋ではイエス様が風邪をひくのではないか、臭くて眠れないのではないかと心配したのでしょう。でもイエス様は、みんなの神様であることを示すために、あえてこのような所で生まれたのです。

 

 天の父なる神様、クリスマスの夜、あなたは臭い、また寒い家畜小屋に生まれて下さいました。それはあなたが偉い人だけの神様ではなくて、みんなの神様だからです。どうぞあなたがここにいる一人一人を愛して下さっていることがわかるようにして下さい。(武田遣嗣牧師)