いっしょに歌おう 第88回

「雪」、「冬景色」、「冬の夜」、「真白き富士の根」、「つきぬ喜びをそそがれる主よ(福音讃美歌11番)」、「故郷」を歌いました。参加は7名でした。

 

 

 少し前に「鷲の選択」という話が話題になったことがあります。ある高齢の鷲がいました。この鷲はこのまま死を迎えるか、あるいは新たな飛躍を目指すかという二つの選択の中で、後者を選びました。鷲は本来長命な生き物ですが、40歳を超えると爪が弱り、嘴が丸くなり、羽も艶がなくなってきます。そこでまず、この鷲は嘴を岩にたたきつけ、削りました。嘴がないと獲物をとることができないので、鷲はやせ衰えしまいました。しかし、しばらくすると立派な嘴が生えてきました。次に鷲は自分の爪をはがし、羽をむしり始めました。とても痛かったでしょう。でもしばらくすると、鷲には立派な爪と羽が生え、大空に力強く羽ばたいきました。こうして、この鷲は新しい姿で更に30年生きたそうです。

 

これは鷲の強さを象徴するフィクションですが、人間は鷲ほど強くはないと思います。人間は、自分の力で困難や老いを乗り越えていくのは難しいかもしれません。

 

 聖書にはこんなことばがあります。

「しかし、主を待ち望む者は新しく力を得、鷲のように、翼を広げて上ることができる。走っても力衰えず、歩いても疲れない(イザヤ4031)」。

 

ここでは、「待つ」ということばと「希望を持つ」ということばが合わさって、「待ち望む」と書かれています。これは、できればこうあってほしいというような不確かなものではなく、神様が最善に導いて下さるという思いを表しています。人は疲れ、衰えるものです。しかし、神様を信じる者の生き方は、弱さを認めながらも神様を待ち望み、神様と一緒に鷲のように翼を広げて上っていく、こういう生き方です。

 

 天の父なる神様、大空に翼を広げて悠々と飛ぶ鷲のように、新しい力を私たちに与えて下さい。年老いてもまた新たに力を与えて下さる神様、どうぞここにいる一人一人と共にいて下さい。(2019115日 武田遣嗣牧師)