【新改訳2017】
ヨハ
4:16 イエスは彼女に言われた。「行って、あなたの夫をここに呼んで来なさい。」
4:17 彼女は答えた。「私には夫がいません。」イエスは言われた。「自分には夫がいない、と言ったのは、そのとおりです。
4:18 あなたには夫が五人いましたが、今一緒にいるのは夫ではないのですから。あなたは本当のことを言いました。」
4:19 彼女は言った。「主よ。あなたは預言者だとお見受けします。
4:20 私たちの先祖はこの山で礼拝しましたが、あなたがたは、礼拝すべき場所はエルサレムにあると言っています。」
4:21 イエスは彼女に言われた。「女の人よ、わたしを信じなさい。この山でもなく、エルサレムでもないところで、あなたがたが父を礼拝する時が来ます。
4:22 救いはユダヤ人から出るのですから、わたしたちは知って礼拝していますが、あなたがたは知らないで礼拝しています。
4:23 しかし、まことの礼拝者たちが、御霊と真理によって父を礼拝する時が来ます。今がその時です。父はそのような人たちを、ご自分を礼拝する者として求めておられるのです。
4:24 神は霊ですから、神を礼拝する人は、御霊と真理によって礼拝しなければなりません。」
4:25 女はイエスに言った。「私は、キリストと呼ばれるメシアが来られることを知っています。その方が来られるとき、一切のことを私たちに知らせてくださるでしょう。」
4:26 イエスは言われた。「あなたと話しているこのわたしがそれです。」
今日はイエス様とサマリヤの女の対話から、礼拝について学びましょう。
サマリヤの女は、周囲から軽蔑されるような人だったので、人目につかない時間帯を選んで井戸の水を汲みに来ていました。彼女はそこでイエス様に出会いました。乾くことのない水を求める彼女に、イエス様は夫をここに呼んでくるように仰いました。これは彼女には一番耳の痛い言葉でした。なぜなら、これは彼女の罪と恥の本質をついていたからです。彼女は真の神の代わりに、異性を神としていました。実はこれこそ、彼女が乾いている原因だったのです。イエス様のことばに対し、彼女は自分の罪と恥を正直に打ち明けました（17～18）。イエス様は彼女の告白を受け入れました。そして自分の罪をイエス様の前に認めた彼女は、真の神を礼拝したいという思いに導かれます。私たちにも神の代わりに神としているものがあるかもしれません。真の礼拝者になる第一歩は、まずそれを認めることです。
次に彼女は礼拝の正しい場所について質問しました（19～20）。当時サマリヤではゲリジム山で、ユダヤではエルサレムで神を礼拝していたからです。イエス様の答えは一言で言うなら、「場所ではない」でした。まず、「神は霊ですから」（24）について考えてみましょう。神は霊であるとは、物質を持っていないということです。私たちの体は物質でできているので、違う場所に同時に存在することはできません。しかし物質を持たない神様には可能です。私たちはどこでも神を礼拝することができるのです。イエス様は、霊なる神様を礼拝することにおいて重要なのは場所ではなく、「御霊と真理」だと言われました（24）。
「真理」とは神のみことばのことです。みことばによって私たちは神様を礼拝し、神様と出会うことができます。私たちは一般啓示（自然、歴史、他の人の信仰）を通して神様を感じることができますが、神様との最も深い出会いは特別啓示（みことば）によります。サマリヤの女は、イエス様のことばによって、礼拝者へ導かれていきました。礼拝の中心はみことばなのです。
「御霊」（聖霊）は、スポットライトのような働きをします。例えば、私たちの心の罪を照らして、罪を認識できるようにします。また神様を照らして、私たちが神様を知り、神様を求めるように導いてくれます。「御霊と真理による礼拝」は、私たちの努力によって成し遂げられるものではありません。ですから、私たちは礼拝を待ち望む、静まって神様を待つ時間を大切にしたいと思います。
こうして、サマリヤの女は御霊と真理によって遂に神様と出会うことになりました（25～26）。「わたしがそれです（エゴーエイミー、わたしは在るというものである）」は、旧約聖書で神がモーセにした自己紹介です。彼女の前に立っていたイエスという名の人物は、神でした。さらに彼女は神を伝える者になりました（29～30）。私たちがここで心に留めたいのは、真の奉仕者とは真の礼拝者だということです。罪を自覚せず、また神を礼拝せずに奉仕をしても、あのサマリヤの女のような喜びはありません。ですから私たちは何より、神を神とする礼拝者でありたいです。御霊と真理による礼拝を心から喜ぶ2021年にしたいと思います。
天の父なる神様、みことばをありがとうございます。私たちは時に、神以外のものを神としてしまいます。それはこの世に調子を合わせる時、いつの間にか私たちの心に神より大きく膨れ上がっていくものです。しかし、礼拝は神を神とする時です。主よ、どうぞ私たちが神以外のものを神の代わりにするのではなく、私たちを創造し、私たちを愛し、私たちを人生の使命に導く神様を神とすることができるように助けて下さい。（2021年3月28日礼拝 武田遣嗣牧師）
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