【新改訳2017】
創
[ 12 ]
12:1 【主】はアブラムに言われた。「あなたは、あなたの土地、あなたの親族、あなたの父の家を離れて、わたしが示す地へ行きなさい。
12:2 そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとする。あなたは祝福となりなさい。
12:3 わたしは、あなたを祝福する者を祝福し、あなたを呪う者をのろう。地のすべての部族は、あなたによって祝福される。」
12:4 アブラムは、【主】が告げられたとおりに出て行った。ロトも彼と一緒であった。ハランを出たとき、アブラムは七十五歳であった。
12:5 アブラムは、妻のサライと甥のロト、また自分たちが蓄えたすべての財産と、ハランで得た人たちを伴って、カナンの地に向かって出発した。こうして彼らはカナンの地に入った。
12:6 アブラムはその地を通って、シェケムの場所、モレの樫の木のところまで行った。当時、その地にはカナン人がいた。
12:7 【主】はアブラムに現れて言われた。「わたしは、あなたの子孫にこの地を与える。」アブラムは、自分に現れてくださった【主】のために、そこに祭壇を築いた。
12:8 彼は、そこからベテルの東にある山の方に移動して、天幕を張った。西にはベテル、東にはアイがあった。彼は、そこに【主】のための祭壇を築き、【主】の御名を呼び求めた。
12:9 アブラムはなおも進んで、ネゲブの方へと旅を続けた。
12:10 その地に飢饉が起こったので、アブラムは、エジプトにしばらく滞在するために下って行った。その地の飢饉が激しかったからである。
12:11 彼がエジプトに近づいて、その地に入って行こうとしたとき、妻のサライに言った。「聞いてほしい。私には、あなたが見目麗しい女だということがよく分かっている。
12:12 エジプト人があなたを見るようになると、『この女は彼の妻だ』と言って、私を殺し、あなたを生かしておくだろう。
12:13 私の妹だと言ってほしい。そうすれば、あなたのゆえに事がうまく運び、あなたのおかげで私は生き延びられるだろう。」
12:14 アブラムがエジプトにやって来たとき、エジプト人はサライを見て、非常に美しいと思った。
12:15 ファラオの高官たちが彼女を見て、ファラオに彼女を薦めたので、サライはファラオの宮廷に召し入れられた。
12:16 アブラムにとって、物事は彼女のゆえにうまく運んだ。それで彼は、羊の群れ、牛の群れ、ろば、それに男奴隷と女奴隷、雌ろば、らくだを所有するようになった。
12:17 しかし、【主】はアブラムの妻サライのことで、ファラオとその宮廷を大きなわざわいで打たれた。
12:18 そこで、ファラオはアブラムを呼び寄せて言った。「あなたは私に何ということをしたのか。彼女があなたの妻であることを、なぜ私に告げなかったのか。
12:19 なぜ、『私の妹です』と言ったのか。だから、私は彼女を自分の妻として召し入れたのだ。さあ今、あなたの妻を連れて、立ち去るがよい。」
12:20 ファラオがアブラムについて家来に命じたので、彼らは彼を、妻と、所有するすべてのものと一緒に送り出した。
【新改訳2017】詩144:3:【主】よ人とは何ものなのでしょう。あなたがこれを知っておられるとは。人の子とはいったい何ものなのでしょう。あなたがこれを顧みられるとは。
ここに、神様と私たちとの関係が記されています。もし私たちが神様との関係を断ち切ってしまうなら、そこには絶望しかありません。しかし私たちが遭遇する問題があまりにも大きいと、私たちは色々な策を考え、神様から離れてしまうことがあります。
ヘブル 11:8: 信仰によって、アブラハムは相続財産として受け取るべき地に出て行くようにと召しを受けたときに、それに従い、どこに行くのかを知らずに出て行きました。
今日は、アブラハムの信仰から教えられたいと思います。アブラハムはウルを出た時、すでに75歳でした。しかもカナンいう神様の約束の地はあるのですが、どのように行くか、わかりませんでした。彼はまさに信仰によってカナンに到着し、主のために祭壇を築きました(7)。ここには、彼らを導かれた神様への感謝があります。
しかし彼らはなおも進み、ネゲブの方に旅を続け、飢饉があまりにひどかったので、エジプトへしばらく滞在するためにさらに南下しました。私たちは問題に直面した時、それから解放されるために様々な方法を考えます。その際、神様との交わりの中で決断するのならいいのですが、私たちの人間的な判断で行動すると、さらに問題が生じるものです。いざとなるととんでもないことをしてしまう人間の深さを、私たちはここで見ることができます(11~)。
アブラハムの行動は彼にとっては有益でしたが、神様のさばきがありました(17)。でもファラオの言葉の背後には、神様のあわれみがあると思います。アブラハムは悔い改めの時を持つことができました。私たちの信仰生活の中でも色々な試みがありますが、その中で注意しなければならないことは、神様から離れるなら永遠に滅びてしまうということです。しかし神様は罪をゆるして下さり、再び神様との関係に立ち返らせて下さいます。私たちは安易な解決策に誘惑されやすいものです。ここで大切なことは、いかなる状況にあっても神様から離れない、みことばを信じ祈ることであり、聖霊なる神様に従い委ねることです。
恵み深い天の神様、アブラハムは信仰によってウルから出発しました。どのように行くのかわからない、そのような約束の地でしたが、神様は一日、一日と十分な道を備えて下さいました。そして、信仰という大切なことを教えて下さいました。祈りがあり、みことばがあり、聖霊ご自身が共にいて下さる、この歩みによって、神様が備えて下さった天国への道を私たちが進むことができることを感謝いたします。どうぞ、それぞれが神様と共に歩む人生を送ることができますように、神様から離れることのないように、私たちの信仰を益々強めて下さい。(2021年8月29日礼拝 小川教会内山茂生牧師)
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