第102回童謡・唱歌・讃美歌を歌う会

「ちょうちょ」、「春の小川」、「春が来た」、「切手のないおくりもの」、「救い主イエスと(福音讃美歌409番)」、「ふるさと」を歌いました。参加者は4名でした。

 

 

 今日紹介するのは、クラーナハという画家の「イエスと姦淫の女」という絵です。これは聖書のある物語を題材にしています。ある日、沢山の男たちが一人の女性を連れてきました。「イエスよ。この女は自分の体を売って、商売をしていたぞ!」。聖書の教えでは、体を売ることを良しとしていません。神様は、自分の体を大切にするように教えています。この絵の女性は下を向いて、自分のしたことをとても後悔している様子ですね。しかし周囲の男たちは、彼女を石打ちの刑にしようとしていました。

 

 実は、この男たちはイエス様が大嫌いで、罠にかけようとしていたのです。もしイエス様が「その女性をゆるしてやりなさい」と言えば、「あなたは聖書の教えを守らないのか」と答え、イエス様の支持者を失望させられるでしょう。また、「その女性を石打ちにしなさい」と言えば、イエス様が日頃、愛や赦しを語っていたことと矛盾してしまいます。いずれにせよ彼らは、イエス様の悪評を言いふらすつもりでした。しかし、イエス様は予想外の返答をしました。「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの人に石を投げなさい」。彼らは一人、また一人とその場を去り、ついにその女性とイエス様だけになりました。

 

 最後に、イエス様と女性はこんな言葉を交わしました。イエス「女の人よ、彼らはどこにいますか。だれもあなたにさばきを下さなかったのですか」。女性「はい、主よ。だれも」。イエス「わたしもあなたにさばきを下さない。行きなさい。これからは、決して罪を犯してはなりません」。

 

 人には、悪いことをした人を大勢で叩く傾向があります。「あの人はこれだから駄目だ」、「もっとこうすればよいのに」等等。しかし、イエス様はそのような人に言います。「一度立ち止まり、あなたの心を見てみなさい。あなたは本当にその人に礫を投げることができるのですか」と。

 

 教会では月に一度、神様の前に自分の罪を告白することを大切にしています。これを聖餐式と言います。神様の前に罪を告白することは勇気がいりますが、しかしその後に、何とも言えない心の平安があります。もし罪を赦さない神様なら、私たちは一生心の罪を明らかにせず、自分だけの秘密にする方がいいでしょう。しかしイエス様は、あなたの罪を神様の前に言い表しなさい、そして、その罪から方向転換して歩み直しなさい、と言われます。そんな神様だから、私たちは自分の心の悪に向き合う力を与えられるのです。皆さんも、この愛の神様に罪を告白し、赦される平安が与えられますように。

 

 天の父なる神様、あなたは人の心の内を、全てご存じです。しかしあなたは、心にある罪を告白し、人生の向きを変えようとする人を、喜んで下さいます。どうぞ、私たちが人の悪ばかりに目を留めるのではなく、自分の心に目を向けることができますように。(2020.03.17 武田遣嗣牧師)