フーテン僕使ウィーン便り⑥

 

憧れのウィーンフィルと楽友協会

 

 今から約55年前 高校卒業後、香川県善通寺という田舎町から東京に出た。中学からの同級生も上京し彼の住まいが国分寺で、小生は武蔵境と近かったので彼とは何かといえば会った。彼は音楽好きであったので、海外から有名な楽団が来ると誘ってくれた。そのため思いもよらぬ、ベルリンフィルとカラヤン、ウィーンフィルとカール・ベーム、モスクワバレー団等を生で聴くことになった。その時最も小生が深く感動したのは、ウィーンフィルとベームだった。それまでクラシックの生演奏とはほとんど無縁であった。それでも田舎の中学にしては、音楽教師によって管弦楽団がつくられたり、次兄が町のブラスバンドに入っていた関係で、少しは聴く機会があった。しかし本格的な管弦楽団による生演奏を聞いたことはなかった。だから、友人によって連れて行かれた数々の世界的生演奏の経験は、その後の音楽への経験となったのである。

 

 結婚してからは澄代が音楽好きなこともあり、時々演奏会に行った。奉仕した教会にはいつも音楽家がおり、演奏会に招いて下さった。それでも憧れのウィーンフィルをウィーンの楽友協会で聴く機会はなかった。それが2006年、当時ウィーン日本語教会牧師だった高木攻一師から留守番牧師の依頼があった。小生たちはこの機会を逃してはならじとばかり万難を排してもお受けすることにしたのである。それでその年6月から約3カ月ウィーンに来た。奉仕よりもウィーンフィルを聞く目的が強く隠されていた。ところが夏の期間、ウィーンフィルはザルツブルグに出掛けていて、楽友協会での演奏会はないことがわかった。やはり神様はすべてをお見透しだと思い知らされた。しかも奉仕を終え帰国した後、中咽頭癌(舌根部)がわかり、20072月まで入院生活となったのだから、やはり神様はごまかせない。その後ウィーン教会の留守番牧師をした時も、ウィ―ンフィル不在中の期間だった。

 そういうわけで今回3度目のウィーン日本語教会奉仕である。是非ともウィ―ンフィルを楽友協会でという憧れが実現することを願っている。楽友協会でウィーンフィルによるベートーベンの「田園」が一番の願いだが、そんな贅沢は言っておられない。この際何でもいい。さてどうなるか。

 

 

 

 

 

☆毎週水曜に、まだ洗礼を受けていない方たちのための学び会を牧師館でしています。3人が出席しています。お祈り下さい。

 

 

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コメント: 1
  • #1

    白土千文 (金曜日, 15 6月 2018 17:13)

    40年前ハイリゲンシュタットのベートーヴェンハウスを訪れた時、ここで田園交響曲を作曲された話を聞いた。パストラーレのメロディーが頭に浮かんだことを思い出しました。ウィーン辺りはお花畑のジュータンの時期ですよね?