フーテン僕使ウィーン便り⑩

 

早朝出勤

 

 

 

 ウィーン人は朝が早いように思う。小生が散歩をする朝6時前後、路面電車には通勤の人でいっぱいである。歩く人も、小生のように散歩をしている人は稀で、大概は出勤のため早足である。この時間、犬を連れた人とも滅多に会わない。

 

 ただ、小生が、4月末までいた旭川の緑が丘は、純然たる住宅地であり、出勤する人たちを目にすることが少なかった。また所属する那珂湊教会の近くにある拙宅も同じく住宅地で通勤電車やバスを見ることがない。そんなのんびりした住宅街に慣れた目には、ウィーンは約200万人の大都会であるから、田舎者が大都会に驚いているだけかもしれない。東京など、日本の大都会では、朝6時頃、当然の如く、多くの通勤者が駅に向かい、もう電車は込み始めているに違いない。だからウィーンの人が特別朝早くから働いているのではないのかもしれない。

 それにしても、6時頃、道路の清掃人が丁寧に小さなゴミ一つも残さないように掃除している。だから道路には殆どゴミは落ちておらず非常に奇麗である。また、歩道にある路面電車の停留所で切符を売っている人がいる所がある。日本では殆ど見ることはない。ウィーンは何と親切なことか。また多くはないがパン屋ですでに営業しているところもあり、客も来ている。カフェで 開いているところもある。旭川の緑が丘も那珂湊も6時前後に開いているところはないので新鮮である。と同時に小生が体調を理由に、全力で働くことをしない生活に慣れ、怠惰に慣れきっているせいと思わされる。何だかんだと理由をつけ怠けるようになっていることに、ただ申し訳なさばかりである。