フーテン僕使ウィーン便り⑯

 

次女、来る

 

 

 

 ドイツのデュッセルドルフに住んでいる次女が小生たちの所に来た。彼女にとってはボケ両親を少しでも喜ばそうとの愛に基づく来訪である。約1週間、わざわざの休暇をとっての来訪なので有難く感謝しまた喜ぶべきことである。 

 

 ところが、愛のない小生は、次女が来ると澄代と二人だけの時のように我ままを言えず、普段より疲れるのであまり喜ばない。逆に澄代にとっては小生の我ままが少ない分楽であるので、次女の来訪は大歓迎である。また普段、小生の我ままに耐えている鬱積した愚痴を話したりすることが出来るので大喜びである。小生が笑顔で迎えないようなことをしないように注意される。

 

 次女がウィーン空港から牧師館の近くの地下鉄の駅まで来た。小生がその駅まで迎えに行った。ウィーン大学病院前駅である。小生の足で15分位で、普通の人だと5~6分だろうか。改札口(と言っても駅員がいたり、改札機がある訳ではなく、自由に通り抜けられる)は乗降客でひっきりなしに人が通る。那珂湊駅や旭川駅、緑が丘駅では、乗降客は「ひっきりなし」などということはないので目が回りそうである。人に酔いそうである。

 

 丁度12時頃、エスカレーターを昇って来た次女の笑顔が現れた。その笑顔は、親バカで言うと非常に良い笑顔だ。そこで軽く歓迎のハグをして迎えた。改札口の前のパン屋で彼女の好きなパンを買う。昼食のためである。また小生の誕生日だったので、誕生祝いのためにケーキも買った。牧師館まで歩いて行き、早速昼食である。食後は小生の74回目の誕生祝いを澄代と次女でしてくれた。こうしてウィーンで澄代と次女と共に、74才まで生かされたことを感謝することがゆるされたことを、改めて感謝した。特に取り柄のない小生が今も主の教会に仕えさせて頂いているのは、このような家族の支えがあってのことである。そして何より主の恵みによること以外、何物でもない。